micsora
▶ 東京暮らしから石巻へ
いしのまき演劇祭に参加させて頂ける事になったのは、
この方のおかげだ。
演劇祭の実行委員長であり、石巻劇場芸術協会代表、
まちのコンシェルジュほか、様々な 肩書きを持つ。
演劇祭にとどまらず、自ら音楽や演劇、アートの場を作る
企画「R」を主催(&主宰)し時にはエロな作品も放つ
やんちゃなお兄さんである。
石巻高校出身で、早稲田大学で演劇にのめり込んだ。
東京で演劇活動をしている中、震災をきっかけに石巻に帰郷し、
今やこの地の演劇や文化活動の中心人物となり
様々なスタイルで石巻を盛り上げている。
矢口さんの活動が取り上げられているインタビュー記事
私に三國裕子さんと小林大介さんとの3組での出演を
提案してくれたのが矢口さんであり、出演に至るまでの
事務的なアレコレやチラシやWEBの制作、
会場のセッティングだけでなく、前日の夜にセットを
手作りするお手伝い(←その涙ぐましい準備は映像にも)から
美味しい料理が食べられるお店も紹介してもらったりと、
その言葉通り”何から何まで”お世話になった。
矢口さんが仕事で東京に来られる度に一緒によく飲んで
よく笑った(笑)。とにかく芝居の話が尽きなかった。
コロナになってすぐに”zoom飲み”もした。
↑一緒に参加したRメンバー
▶ 龍汰さんの挑戦!
そんな矢口さん、いや、やっぱりいつも読んでる下の名前にしよう。
龍汰(龍太と表記される場合も)さんはコロナになってまた
斬新な舞台を生み出した。その名も「ピーピングトム」”のぞき魔”
という意味が込められている。
ちょっとどなた?エッチなこと想像したの?あ、それ私、、。
が、決してR 15的な作品ではない。
〜概要〜
「アートギャラリー「石巻のキワマリ荘」内の一部屋「jugei」
で行われる、直径4センチほどの穴から覗き見る演劇。
4畳半の限られたスペースの展示部屋を壁で塞いで閉鎖し、
その中で4つの演劇作品を上演する。
観客は一公演につき一人。上演時間は数分。
観客はひと作品ひとり。英語にするとマンツーマン。
つまり演者は四畳半の中で芝居をして、それが4センチの穴から
たった一人の人間がのぞいているのである。
石巻日日新聞にも取材されて
うーんエロい!エロすぎる!(←私の妄想は続く)
映画「真木栗ノ穴」を思い出した。あれはたしか山本亜紀子さん
のホラー小説 『穴』が原作ではなかったか。
と私の妄想はさておき、たしかに観客1人なら3密にならない。
それどころか観客は今まで味わったことのない贅沢な
演劇体験をしただろう。
ストーリーの4つはどれもテイストが異なり、
観客はその数分間の贅沢を4粒味わえる。
こう聞くと見たくなりません?
なりますよね、ええなりますともさ。なんと見られるんですって。
オンライン配信もされていたというこの舞台、
本編とは別のスペシャル映像もつけてご覧頂けます。
龍汰さん、もうなんて太っ腹!
★ウィルチンソン (STREAMというページから)
https://www.willchinson.net/stream
コロナだからこそ思いつけたのか。
コロナより龍太さんのエロが勝利した企画である。
(だから真面目な作品なんだってばw)
▶ 龍汰さんの想い!
「僕は石巻は震災で一度文化を無くしたと思っています。
衣食住しか必要ない、という時期があった。
でも本当はそうじゃない、文化は必要ですって
言いたくて活動をしてきた。だからコロナ禍でも同じで
むしろそれを逆手に取りたいと思った。
そして石巻から発信したかった。オンラインで配信して
見てくれた人がこういうやり方もあるのかと
励まされてくれたらいいなと思った。
だからこそ、石巻の演劇人が出演する必要があると思った。」
と語ってくださった。
▶ コロナによる変化とこれから
今回のコロコロさんで演劇業界が大きく変わったこと
の一つに”舞台配信”があるだろう。
もちろん私は「舞台は劇場で!」派なのだが、
こうして地方の演劇人たちの作品をその地まで
行かずしても見られるようになったのは非常にありがたい。
コロナのせいで不自由なことばかりだけど
こんな良い進化も遂げていることは救いだ。
ちょっとマジメな話。
その配信でいうと、宮城県が舞台の配信に
対して補助金を出してくれるようになり
以前よりも文化と行政が一緒にやっていく体制
が整い始めたのだそう。
「今回なかなかお客様に届けられない現状を
目の当たりにした行政が動いてくれて
とてもやりやすくなったとも語ってくださった。
今後のふくらむ夢・野望
龍汰さんに、今後どんなことを考えているのか聞いてみると
「劇場作りたいんですよねえ。」と劇団●季なの!と
ツッコミそうな壮大な夢が返ってきた。
石巻で使わなくなった建物を改装して地域の人との
コミュニティスペースをも兼ねられるような場所を
作りたいという。この素敵すぎる構想は近々に龍汰さんの
サイト等で発表されるようなので是非お楽しみに!
主宰「R」HP https://www.r-ishinomaki.com
矢口龍汰さんFB:https://www.facebook.com/ryuta.yaguchi.9
本公演で嬉しかったのが「ひとりコーラスライン(笑)!」
という作品を愛してくださったこと。
私が、”私のことを知らない石巻の方々の前で演じて果たして
喜んで頂けるのか”と不安がっていたところに
東京公演の映像を見て、「老若男女にきっと楽しんでもらえると思う」
と太鼓判を押してくださった。
三國先生率いる「うたたね.」や四十さんの作品も心から愛し、
まるでわが子のように関わり、それでいて楽しんでくれる。
だから携わる皆さんから愛されるのだと思う。
石巻にこんな風に演劇を、アーティストを愛してくださる方が
いるってなんて素敵なんだ。
まだ40前というのに「腰が痛い、あそこが痛い」と
時々呟いておられるけれど、どうか健康で長生きしてほしい。
龍汰さんは外にもご自身のお仕事のひとつである
石巻コンシェルジュのyoutubeチャンネルを新設、
行政発のマジメな内容かと思いきや、
「デカ盛りメニューを食べつくせ!5階建てハンバーガー!?(笑)
他にもいろんな角度から石巻を楽しく知ることができるので、ぜひ!